~ネイチャーガイドのお仕事~【イベント】日御碕神社で樹木を巡るちょっと変わった参拝

「ネイチャーガイドってどんなことしてるの?」

「自然体験ってどんなふうにすればいいの?」

エピオネイチャーガイドオフィスで行っている日々のガイド内容を記録していきます。

本日は出雲市の日御碕神社で樹木観察会を行いました。

日御碕神社といえば朱色の社殿・・・だけではない魅力

  • 自然ガイドと歩こう!日御碕自然かんさつ会~第3回 日御碕神社境内の樹木観察~
  • 一般向け
  • 3人

国の天然記念物に指定されている経島のウミネコをはじめ、希少生物も生息する豊かな自然の宝庫である日御碕エリアで、季節ごとにおすすめの生きものをピックアップし、自然ガイドによる専門的な解説を聞きながら遊歩道を散策します(全3回)。

出雲観光ガイド

出雲市の主要観光スポットの一つである日御碕で「新たな魅力を発信していこう!」という趣旨で企画されたこのイベント。
最終回の3回目は日御碕神社にスポットをあてて実施しました。

日御碕神社遠景

ふつう、神社へ行ったら参拝しておみくじやお守りを購入したり、御朱印をいただいたりすることがメインとなりますよね。

ところが、神社境内は「自然観察」の視点で見るととてもおもしろいスポットでもあるのです。
古くからその地に鎮座する本殿の周りは人の手があまり入らず、自然のままの植物相が残され、その土地ごとの特色をよく表しています。

もちろん、日御碕神社も独特の植物が見られる自然観察スポットです。

少し視点を変えた神社の参拝、「樹木観察」をしながら行いました。

日御碕神社のシンボルツリーを勝手に3種厳選!

さて、今回の樹木観察を実施するにあたって(勝手に)日御碕神社のシンボルの木を選定しました。

①クロマツ
樹齢400年といわれているクロマツが、上の宮と下の宮の間に自生しています。大分弱ってきていますが荘厳な佇まいに圧巻です

日御碕神社樹齢400年のクロマツ

②オガタマノキ
招霊木(おきたま)=オガタマノキという名の由来があり、神様が降り立つご神木として神社に植えられることが多いです。ふつう、樹形はまっすぐ伸びて枝を広げますが、日御碕神社のオガタマノキは枝が横に伸びている珍しい形をしています。きっと海からの風が影響しているんでしょうね

日御碕神社のオガタマノキ

③カシワ(ナラガシワ)
家に家紋があるように、神社にも神紋があります。日御碕神社の神紋はカシワの葉を3枚並べたものです。よく見ると、鬼瓦や賽銭箱、御幕にも神紋があしらわれています。境内にはナラガシワの木が1本見られますが、こちらも大分弱ってきているようなので、枯れないように祈るばかりです

日御碕神社のナラガシワ

日御碕神社でみられる主な樹木など

その他にも

  • ヤブニッケイ
  • スダジイ
  • シャリンバイ
  • トウネズミモチ
  • イヌマキ
  • タブノキ
  • シロダモ
  • カラスザンショウ

などの樹木を観察し、限られた境内の中にも多様な樹木があることを実感。
「じっくり調べれば、50種類くらいの樹木があると思います」
との言葉に、参加者のみなさん驚かれておりました。

スタート場所は 日御碕ビジターセンターで、海沿いの遊歩道を歩きながら日御碕神社を目指しましたが、その道中でも

  • ヒサカキ
  • ハマヒサカキ
  • トベラ
  • ハゼノキ
  • アキグミ
  • アオツヅラフジ

などの植物を観察。
特に、ハマヒサカキは日御碕が日本海側の自然分布最東端といわれています。
ヒサカキとハマヒサカキの木が一緒に見られる地域もなかなかない場所なのです。

あなたの地元の神社にもきっとある気になる木

今回、神社境内にスポットをあてた樹木観察会というのを始めて実施しましたが、調べれば調べるほどその地域の特性が出てきます。

御神木だけをとってみても、出雲大社ならムクノキ、須佐神社ならスギ、金屋子神社(たたら製鉄の神様)ならカツラなど神社によってさまざまです。

みなさんの近所の神社はどうでしょう?
ご神木やシンボルの木があるのではないのでしょうか?

そんな新たな自然の見方を得ることができた、楽しい樹木観察会でした。