ニホンヒキガエル?アズマヒキガエル?しまねに生息するのはどっち?

2018/3/24 島根県飯南町

ヒキガエルに出会ったことはありますか?

実際に見たことはなくても、 歌舞伎や浮世絵で見られる「ガマの妖術使い」や童話「おやゆびひめ」などに登場したりしているので、どんなカエルかはイメージがつくのではないでしょうか?

自分のホームグラウンドである森では、毎年3月下旬ごろ、ヒキガエルの産卵がはじまります。

「ヒキガエル」と一言で言い表しているものの、いくつかの種類がいます。
島根県に生息するヒキガエルははたして何ヒキガエルなのでしょうか?

今年もカエル合戦のはじまりじゃー!

春まだ浅い3月、冬眠から覚めたヒキガエルが水たまりをめざしてやってきます。

その目的は繁殖のため。

オスが先にやってきて、夜になるとメスを呼んで誘います。

ところで、ヒキガエルの鳴き声、聞いたことありますか?その風体に似合わず、とてもはかなげでかわいらしい鳴き声なんですよ。

そして、昨年の秋から卵でぱんぱんになったおなかをかかえたメスがやってくると、待っていたオスたちは我先にメスに抱きつこうとして、すったもんだの大乱闘。

その様子は「カエル合戦」と形容されるほど激しいものになります。

下の大きい方がメスで、抱きついている方がオス
2018/3/24 島根県飯南町

そして合戦が終わったあとは・・・

おびただしい数の卵塊が!
2019/3/27 島根県飯南町

上記の写真は産卵後数日後のもの。水分を含んで、だんだんとぶよぶよになっていきます。

あ、ちなみに写真の左に写っているのは合戦に疲れ果て、逃げる気力も体力もないオスです。

産卵して間もないときはぷるぷる、つやつやなのです。

1つの卵塊には1500~14000個もの卵が入っています
そして長い!20mもの長さになるのもあるとか!?
2019/3/27 島根県飯南町

しまねには2種類のヒキガエルがいる!?

ヒキガエル科は世界中で410種とされ、日本では以下の5種となっています。

  • ミヤコヒキガエル Bufo gargarizans miyakonis
  • ナガレヒキガエル Bufo torrenticola
  • ニホンヒキガエル Bufo japonicus japonicu
  • アズマヒキガエル Bufo japonicus formosus
  • オオヒキガエル(外来種) Rhinella marina

【日本爬虫両棲類学会・日本産爬虫両生類標準和名リスト(2019年1月25日版)より】

一般的にヒキガエルというと主に西日本に生息する「ニホンヒキガエル」か
東日本に生息する「アズマヒキガエル」のことを指します。

この2種、「え、どこがちがうの?」

というほどそっくりで見分けがつかないので、私は「関東で見つけたからアズマヒキガエル、島根は西日本だからニホンヒキガエル。」と、生息地で見分けておりました。

が、

さあ、この2種の違いがわかりますか?

島根県には、2種とも生息しているのです!

島根県の東部の北側、島根半島はアズマヒキガエルの自然分布域にあたるのです。

し、知らなかった・・・

図鑑にもがっつり分布域が掲載されているのに、改めて確認しようともせず 「西日本だから」という理由だけで、しまねで見るヒキガエルは「ニホンヒキガエル」だと思い込んでおりました・・・

そんなわけで、今後島根半島でヒキガエルに出会うことがあれば要チェックです!

しかし、島根半島は日本列島から孤立していた時代が長く、陸続きになったのは約1300年前。それがどうしてアズマヒキガエルの分布域となったのかは謎です。

日本のカエル+サンショウウオ類 増補改訂 (山溪ハンディ図鑑)

ニホンヒキガエルとアズマヒキガエルの違いはココ!

目の下にご注目。丸い模様みたいなものがありますね。

ここはカエル類の耳の部分にあたり、カエルには耳たぶや外耳がないので鼓膜がむき出しになっています。

この鼓膜の大きさが見分けるポイント!

要するに大きいか小さいかの違いですが、フィールドで出会った時は大きさの比較ができるわけではないので、正確には

  • 目から鼓膜の距離が鼓膜の直径より長い=ニホンヒキガエル
  • 目から鼓膜の距離が鼓膜の直径より短い=アズマヒキガエル

ということになります。

図鑑によってはアズマヒキガエルの方がイボが多いとか書いてありますが、ヒキガエルのイボ数や模様、色などは個体差が大きいので、種の見分けポイントとしてはあてになりません。

意外と身近なヒキガエル

みなさんの住んでいる地域のヒキガエルは、何ヒキガエルになりますか?

ヒキガエルは人家の庭や学校の校庭など、ちょっとした土と石(ブロック)、そして近くに水たまり程度の水場があれば棲んでいたりする、意外と身近なカエルなのです。(※ナガレヒキガエルは中部地方の山間地にすむのでめったなことでは出会えませんが・・・私もまだ見たことないです)

地上のどこにでも生息しているので、古事記では「国土の隅々まで知り尽くした存在」とされる物知りの神、多邇具久(たにぐく)として登場しています。

普段は石や落ち葉の下にもぐりこんでじーっと過ごしていますが、雨が降るとのそのそ出てくるので、出会う確率があがります。

ヒキガエルがいるということは、その場所は食べものとなる昆虫など小動物がおり、そうした生きものたちが過ごせる自然環境が保たれているということなので、もしヒキガエルを見かける場所があったら、その場所を大切にしていってくださいね。

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