「植物を覚えたいけどどうやっておぼえたらいいのかわからない・・・」
なんてお悩みは同業者の間でもよく聞きます。
かくゆう私も植物は苦手・・・というか興味がなかったので、生物調査をしていても全然覚えられなかったのです。
ネイチャーガイドという仕事柄、「私、植物わからないんですよ~」などと言うわけにもいかないので、覚えざるを得ない状況となりそこそこ紹介できるようにはなってきました。
が、
まだまだ植物の世界はふしぎがいっぱい!
調べれば調べるほど、その生態は奥深く、ごくごく身近な植物でも知らないことがたくさんあるので飽きることがありません。
今年は「モニタリングサイト1000」里地調査のなかで、参加者のみなさんと調べた植物についての植物図鑑を作ろうと考えています。
「モニタリングサイト1000」ってなに?
ざっくり言うと・・・
- 全国の約1000カ所にサイト(調査地)を設定し、その場所の自然環境を調査する
- サイトは森林、里地里山、河川、湖沼、海岸、干潟・藻場・サンゴ礁など、それぞれの生態系タイプに分かれる
- コアサイトは100年間、一般サイトは5年間継続して調査する
- 調査によって得られた自然環境の変化を早期に把握し、保全につなげる
- 調査する人は大学、研究機関、専門家、地域のNPO、ボランティアなどさまざま
環境省生物多様性センター
ENGOで実施しているモニ1000は・・・
- 生態系タイプ「里地・里山」の一般サイトで登録
- 植物相、鳥類、水環境、中・大型ほ乳類、カヤネズミ、カエル類、チョウ類、ホタル類、人為的インパクト(相関植生図)の9つの調査対象のうち、植物相、カエル類、ホタル類を調査している
- 植物相の調査を一般参加者とともに行い、自然観察も兼ねてイベントとして実施している
島根県にはいくつサイトがある?
生態系タイプ | サイト数 |
森林・草原 | 6 |
里地・里山 | 1 |
湖沼・湿原 | 4 |
干潟 | 2 |
小島嶼 | 2 |
詳細はコチラ
環境省のホームページでは上記のように記載されていますが
「里地・里山」においては昨年2018年度より一般サイト調査の第4期が開始され、新たに2サイトが登録されました。
詳細はコチラ
その中の1サイトが、このイベントで実施している「冒険の森てんば」となります。
一般サイトなので、調査期間は5年間、2023年まで毎年実施します。
そして今年は2年目となり、引き続き調査中なのです。
2年目の植物調査は・・・?
昨年の調査で基礎データが得られたので、今年はどうしよう・・・?
調査地区は変わらないのに、同じ植物調査をしても代り映えしないよな・・・?
はてさて・・・?
そうだ!この調査エリアの植物図鑑をつくろう!
と、思い立ちました。
実は2年前にも「冒険の森てんば」のエリア内にあるビオトープで、水辺の生きもの図鑑を作っているのです。
このエリア限定の植物図鑑をつくり、「冒険の森てんば」に遊びに来た人がそれを手に持ち、ぶらりとさんぽしながら植物に目をむけてくれたりしたらいいなー、などと思うのです。
植物を覚えるコツは無理せず、楽しく
あれもこれも、と目についた植物の名前を丸暗記しながら覚えるのはおすすめしません。
記憶に残りにくいし、なにより「覚えなきゃ!」という強迫概念によって苦痛が伴い、ぜんぜん楽しくありません。
まずは身近な植物の中から気になる植物だけを選んで覚えていくというのはどうでしょう?
じっくり観察して、調べて、自分でまとめていくうちに観察ポイントや植物のからだのしくみ、それらをとりまく生きもののつながりもみえてきます。
どういう植物図鑑にしていくのか、参加者のみなさんと話し合いながらぼちぼち作っていきたいと思っています。
モニ1000植物調査&自然かんさつ会イベントのご案内
毎月1回、第4土曜日に自然かんさつ会も兼ねた植物調査を実施しています。
調査終了後は棚田cafeでランチをいただきます♪
どなたでも気軽に参加できますので、ぜひご参加ください!
開催日
4月から11月の第4土曜日
時間
10:00-12:00
【スケジュール】
10:00 集合、作業分担(記録係、写真係など)
10:10 調査ルートを散策しながらその時期に花や実がついている植物を記録
11:30 とりまとめ
12:00 棚田Caféでランチ、食後自由解散
参加費
1,000円(昼食付)
対象
自然好きな小学生以上
(2時間自立歩行できるなら未就学児でも可)
定員
10名
申込み(各回3日前まで)
集合場所
冒険の森てんば(雲南市大東町山王寺551)