~ネイチャーガイドのお仕事~【出前授業】小学生の樹木学習はどうやるか?

「ネイチャーガイドってどんなことしてるの?」

「自然体験ってどんなふうにすればいいの?」

エピオネイチャーガイドオフィスで行っている日々のガイド内容を記録していきます。

今年度4回目となる、江津市立東小学校での森林学習です。

  • 江津市立東小学校
  • 4年生
  • 17人

樹木学習=木のなまえを覚えること?

「樹について調べてみよう!」

・・・とはいうものの、小学生を対象とした場合、どのように興味をひきつければよいのか迷うものです。

今は大昔、自分が小学生の頃「木の名前を調べて覚えよう」とか言われても、興味もないし、覚える気もなかっただろうな・・・と思い返してみたり。

自然観察会などで一番やってはいけないやり方、それは
植物の名前をひたすら教える
というやり方です。

よく公園などの樹木に名前プレートがつけてあったりしますが、それを見て「ふーん、この木は〇〇という名前なのか」

で、終わって、その樹について知った気になっていませんか?

その樹は

  • どんな形ですか?
  • まっすぐ伸びてる?曲がってる?
  • 枝はどこに向かって伸びてる?
  • どんな葉っぱですか?
  • 花は咲いてますか?
  • 種や実はついてますか?
  • 樹皮はつるつる?ごわごわ?どんな模様?
  • きのこが生えていたり、つるが巻き付いていたりしない?
  • 周りにも同じ木がないかな?
  • 他にもなにか気がついたことは?

ただ漠然とその樹を「見る」だけではわからない木の特徴を、意識を向けて「観る」ことでいろいろな気づきがあります。
それが自然観察です。

葉っぱで樹木学習

さて、今日は葉っぱに注目してもらう樹木観察を行いました。

まずはエリアを決めて一つの樹を選び、葉を1枚とっておきます。

その葉をシートの上に置き、隠します。

「今から10秒間だけ葉っぱを見てもらいます。その葉っぱと同じものを探して持ってきてね。」

10秒間、とくにヒントなどは伝えず、子どもたちに見てもらってから各自さがしてきてもらいます。

再びシートの周りに集まり、答え合わせです。

同じ葉っぱを持ってきた子どもには気がついたことを発表してもらい、
違う葉っぱを持ってきた子どもにはどこが違うのかを聞いてみます。

「どんな形してるかな?」
「ふちのぎざぎざは細かい?太い?」
「葉脈はどんなふうに伸びてる?」

葉っぱをじっくり観たあと、その樹の場所に行って「この葉っぱの樹は〇〇という樹です。」
と、紹介します。

樹の名前だけでなく、その樹の特徴も併せて紹介したり、子どもたちに気がついたことを発表してもらうなどするとより印象深くなります。

このやり方で葉を2種類、3種類と増やしていくとより難易度があがっていきます。
学年に合わせて、特徴のあるわかりやすい葉を選んだり、似たような葉があってわかりにくい葉を選ぶなど、種類や数を変えてやってみるといいかと思います。

木の名前をしらなくてもできる樹木学習

木の名前をそんなに知らないし、詳しくないんだけど・・・

まずは、自分が知っている樹を選んでやってみてはいかがでしょう?

たとえその樹の名前がわからなくても、子どもたちと一緒に観察することで、自分でも気がつかなかった特徴に気がつくことがあります。

そこで興味をもったなら、あとで調べてみればいいのです。

知ることは感じることの半分も重要ではない

レイチェル・カーソン
センス・オブ・ワンダー

「樹木学習」は、樹の名前を覚えることが重要ではなく、まずは樹に親しみ、興味・関心をもってもらうことが大事なのではないでしょうか。

自分が小学生の頃を思い出し、「あ、これおもしろそう」と思えるようなことをやってみるといいかと思います。

校庭まわりや自宅の庭、近所の公園など、樹さえあればできるこの観察方法、ぜひやってみてください。

  • 葉を採取する場合、地権者の許可をとる
  • 葉を採取することで悪影響がありそうな樹木は避ける。子どもがとらないよう、よびかけ
  • 葉の採取ができない場合は、落ち葉で代用
  • エリア内にウルシなどさわるとかぶれる樹がないかチェック
  • ドクガなどがいる場合があるので、葉にさわる前に注意するよう、よびかけ
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