「山菜」といったら、みなさんは何を思い浮かべますか?
フキノトウ、タラの芽、コゴミ、ゼンマイ、ツクシ、ワサビ、タケノコなどなど・・・

春になると産直やスーパーで販売されているのを見かけることもありますね。
地方や山間地では時期になると山菜をテーマにしたイベントがあちこちで開催され、松江市にあるNPO法人もりふれ倶楽部でも毎年実施する人気イベントとなっています。
今年(2019年)は4月21日に開催され、サブガイドとして対応させていただきました。
本日の山菜メニュー
- 他の山菜イベントでは食べられない!山菜サラダ
- 素材の味を堪能!山菜しゃぶしゃぶ
- 飽食時代の幸せを噛みしめる・・・リョウブ飯
- 変わりダネあり!王道山菜天ぷら
- 至れり尽くせり、山菜の煮物
- まだまだあるよ!美容と健康の野草茶
・・・と、「これでもか」とボリューム満点の山菜をいただきました。
食した山菜は以下のとおり。
- シャク
- オオバギボウシ
- ヤブカンゾウ
- ハナウド
- リョウブ
- ハナイカダ
- ミツバ
- クサソテツ
- ゼンマイ
- ワサビ
- フキ
- ドクダミ
- ビワ
- スイバ
- セイヨウタンポポ
- ブタナ
- タチツボスミレ
- カラスノエンドウ
- クズ
- スギナ
- ヤブツバキ
- コシアブラ
- タラノキ
- オオバコ
- ヨモギ
- アザミの仲間
- アサツキ
- サルトリイバラ
- タケノコ
- アカメガシワ
まだあったような気がしますが・・・
ひとまず思い出せるものは全部挙げてみました。

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救荒植物とリョウブ飯
私自身、山菜に関する勉強をするまでは聞いたこともなかったのですが、
「救荒植物(きゅうこうしょくぶつ)」
というジャンル(?)の植物が日本には存在します。
現在では「していた」、という方が正確かもしれません。
飢饉や戦争などで食料が不足したときに、しのぎの食物として利用されてきた山野に自生する野生植物のことを救荒植物とよびます。
おいしいかおいしくないか、ではなく食べられるか食べられないか、量がたくさんとれるかとれないか、が重要視され、いわゆる「雑草」も数多く含まれます。
さらには大飢饉のときなどは、ヒガンバナなど猛毒の植物まで毒消ししてなんとか食べて飢えをしのいだということですから、もはやすべての植物が食料として利用されてきたのでしょう。
そんな救荒植物のひとつである「リョウブ」は、北海道から九州までの日当たりのよい山間地でふつうに見られる樹木です。
リョウブについての詳しい解説がこちらにあります。↓
「月間杉web版」
昔はリョウブの新葉を春先に採集しておき、乾燥させて保存し、食料が不足したときに雑炊などに混ぜて嵩を増やして満腹感を満たしたそうです。
リョウブは漢字で「令布」と表し、救荒植物として増やすよう、法令で布告されたので令布(リョウブ)と名がついたという説もあります。
今回は少々葉が大きくなっていましたが、枝から直接採集したリョウブの葉をゆがいてから塩もみし、おかゆに混ぜていただいてみました。

さて、そのお味は?
・・・う~ん、
アクやえぐみはないです。
ただ、風味や香りもないです。
繊維質の多い菜飯のような感じで、個人的には「おいしくはないが食べられないほどでもない」といった感じです。
「おいしい」という人もいましたよ。
「毎日おいしい白米が食べられる時代になって良かった。」という思いに駆られる食体験でした。
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山菜を食べることはぜいたく?
山菜を食すという行為は現在の日本においてはレクリエーションの一環となっていることがほとんどです。
高い栄養価や薬効成分などが注目され、健康食品として着目されることもあり山菜イベントは自然に親しむツールとして人気のコンテンツです。
しかし、昔から山菜を食す文化が発達しているのは東北地方や信州などの山間地が多く、島根県でも中山間地域以外では山菜文化は発達しませんでした。
それはなぜか?
「わざわざ山菜を食べなくても、ほかにおいしくて栄養価のあるものが食べられたから」
です。
島根県の平野部は肥沃な土地で稲作が発達し、海にも近いので魚介類がたくさん採れました。島根県の食文化の歴史を見ても、山菜に関する表記はあまり見られません。
山間地に行けば行くほど土地は狭く、コメは作れず、動物性たんぱく質もなかなか手に入らない・・・
なにか代わりに食べられるもの=山菜だったのです。
今は逆に山菜を食べることがぜいたくとされ、自然の恵みをいただくことが豊かで健康的な生活であるという風潮もあります。
さて、その山菜を食べることは本当に豊かで健康的な生活だと言えるのでしょうか?
もし、毎日毎日リョウブ飯や山菜のおかずのみ、となったらどうでしょう?
豊かさとはあくまで主食となるコメ、主菜となる肉や魚などのたんぱく質がそろっていることが条件であると思うのです。
現在の豊かな食生活があるおかげで、山菜がぜいたくで特別な味覚になったということですね。
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山菜は野生生物だという意識を持とう
山菜とは、人工的に畑に栽培される野菜に対し、自然環境のなかにみずからの力で自生する野生植物のうち、食用に適する植物の総称である。
山菜 見分け方食べ方 家の光協会
安定した収穫ができる栽培野菜とちがい、山菜はあくまで野生種であり、自然の生態系のなかでそれぞれがバランスをとって生息しています。
生育量には限りがあり、食用に適する部分も若芽や花、球根など種によって異なるほか、新芽を摘みとると休眠してしまう種や追芽まで採取すると枯死する種など、多年草といってもライフサイクルはさまざまです。
採集する種の性質をきちんと理解したうえで、適切な採集を行い、将来枯渇することがないように自然資源を生かしていけるといいですね。
また、当然ですが許可なく山野草を採取することはマナー違反であり、場所によっては法令に抵触します。
県や市区町村が管轄の山林であっても(というより、そういった場所は保護林がほとんどです)勝手に採取したりしないよう、一人一人が心がけていきましょう。
その土地があなたの名義でないのなら、そこは必ず、誰かの土地です。
珍しいとされる山菜は、絶滅危惧種である可能性が高いです。出所不明の山菜は購入しない、というのも自然保護につながります。
