笹の葉香るちまきづくり!巻き方の写真付き解説

宍道町にある「島根県立ふるさと森林公園」で毎月実施されている定例イベント、「里山自然塾」(さとやましぜんじゅく)

その時期の素材を生かして参加者に自然と親しんでもらいつつ、里山と人と、自然との関わりを学べる場となっています。

今年で16年目!を迎える歴史ある森林学習イベントです。

Record
  • 第2回里山自然塾「笹巻づくり・ササ茶でいっぷく」
  • 一般・親子向け
  • 36名

笹巻=ちまきのこと。「ちまき」って知ってる?

島根県東部地域では笹巻き団子のことを「ちまき」と呼び、
毎年旧暦の端午の節句に各家庭で作ります。
(中華ちまきや笹巻だんごとは別物です)

私の実家は安来市なので、毎年この時期になるとおばあちゃんと一緒に作っていました。

しかし、いつの頃からか作ることもなくなり、今では我が家に限らず作る家もだんだんと少なくなってきたようです・・・

人と里山とのつながりが希薄になった今の時代、改めてちまきづくりをやってみよう!
この「里山自然塾」では毎年人気のイベントとなっています。

家によって巻き方が異なるちまき

ちまきの巻き方は地域や各家庭によって少しずつ違い、
「このやり方が正しい」という決まりやマニュアルはありません。

今回のやり方も講師のN家の巻き方であり、私の実家の巻き方とは少し違います。

備忘録も兼ねて、このページでやり方を記載しておきます。

あなたもちまきづくりに挑戦!

用意するもの

  • ササ(チマキザサやチュウゴクザサなど葉が大きいもの)
  • イグサ
  • 団子の粉
  • お湯
  • ボウル
  • 軽量カップ
  • 洗濯ばさみ
  • 剪定ばさみ
  • ササを拭くタオル
  • ササや団子を覆うタオルやふきん
  • 団子を置いておくバットやラップ
  • 麻ひもなど(完成品を束ねるためのもの)

事前準備

ササを刈り取る

ササの新葉が開ききった6月ごろ、作る前日か当日に刈り取ります。
前日に刈り取った場合、乾燥しないように水に漬けておきます。

手ごろなササの生えている場所を探しておいて、その土地の所有者に許可をとっておきましょう。

ちまき1本をつくるのにササ2株は必要です。
ちまきを10本作るならササ20株、
ちまきを50本作るならササ100株となります。

がんばって刈り取りましょう。

イグサを刈り取る

イグサは湿地や休耕田などに生えている植物です。
参考→イグサ – Wikipedia

ササ同様、生えている場所をチェックしておき、所有者の許可をとります。

ちまきを作る1週間前までに30cm以上に成長したものを刈り取り、乾燥させておきます。

ちまきを作る半日前に水に漬け、使う前に水をきります。
こうしておくことでイグサが柔らかくなり、結びやすくなります。

ちまき1本に対してイグサ1本でも作れますが、2本使った方が丈夫です。
作るちまきの本数×イグサ2本を用意しましょう。

ササの葉を剥く・団子を挿す用の茎を切る

ササ1株から生えている葉の中から大きい葉を選び、手でむきとります。
この際、葉に茎が20cmくらい残るように、下向きに葉を引いてちぎります。

ちまき1本につきササの葉5枚を使います。
つくるちまきの本数×5枚+αの葉を剥きましょう。

むいた葉は、濡らしたタオルではさんで表裏とも拭いてきれいにします。
団子を包むまで乾燥しないように水に漬けておくか、濡れタオルやふきんをかぶせておきましょう。

次に、なるべく太くてまっすぐなササの茎(正確には稈(かん))を選び、約30cmに切りそろえます。
団子に挿す方を斜めに切っておくとさしやすいです。
皮がついていて、気になるようならむいておきます。

つくるちまきの本数分用意しましょう。

団子を作る

ひたすらこねる

団子用の粉をボウルに入れ、お湯を入れてこねます。

今回は粉1キロにお湯700ccを入れました。
粉と水の分量は購入したものに記載されている分量を参考にしてください。

耳たぶくらいの柔らかさを目指してひたすらこねます。
こねてコネて、20分~30分はがんばってこねましょう。
こねればこねるほど、おいしい団子ができるはず。

団子の形成

1個40gが標準です。
あまり大きいと葉からはみだしてしまうので、イメージとしてはいなり寿司ぐらいの大きさで。

丸みを帯びた円錐形のような形につくります。

作っている間に団子が乾燥して固くならないように、濡れふきんなどをかぶせておきましょう。

ササの茎を挿す

団子の細い方からササの茎を挿し
突き抜けないよう、団子の3分の2くらいまで挿します。

ササを巻く

さあ、ようやくササ巻きだ!

5本~10本にまとめて束ね、根本を切りそろえる
(写真は装飾して束ねています)

完成!

ゆでる

お湯が沸騰したなべに束ねた状態のままいれ、約10分ゆでる。

ゆであがったら流冷水にとり、荒熱をとる&葉の変色を防ぎます。

水を切り、葉をむいて団子をとりだす。

あとはお好みで食す。
砂糖じょうゆが一般的ですが、そのままでもよし。きなこでもよし。砂糖だけでもよし。

ササの香りがほのかに香り、もちもちやわらかい団子は絶品です♪
この時期だけに味わえる、田舎のぜいたくですね。

作ってみたいけど作れない!販売もしてます

田舎だからこそできるワザ(?)、ちまきづくり。

とても材料が用意できない、自分では作れない、という方には購入するという選択もあります。


ほかにも
JAで購入か、安来市の道の駅や農産物販売所で購入することができます。

シーズン物であり、販売期間が限られます(5月~6月ごろ)のでチェックしてみてください。

ちまきを味わってみたい方はまた来年、購入のチャンスを待つか、
このイベントにご参加くださいませ。